アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎 (著)


ちょっとつらくなる話だった。
ペットを飼ったことがある人は、感情移入してしまってつらい場面があると思う。


リアルにはいないだろう、そう思いたい人間が、現代の日本にもいる。
遭遇しないように気をつければ関わらないですむかもしれない。
けど、きっと、身近にもそういう人間はいるわけで。


小説の本筋とは違うかもしれないけど、そういうとこをみしりみしりと考えてしまった。
動物のことだけではなく、「外国人」という存在についてのちょっとした文章でも。


小説としては、爽快!だとか、どんでん返しにビックリ仰天!だとか、
そういうエンターテインメントとは違うけど、読み応えはあったと思うなあ。


誰もが小説の主人公として「今」を生きてるけど、自分は誰かの物語に
ちらっと途中参加するだけ、って話もでてきた。
なるほど。誰もがいろんな物語の登場人物であって、全員が全員、いろんな物語を
同時進行させてるんだ。